12月15日に放送される大河ドラマ「光る君へ」の最終回、第48話がいよいよ視聴者に届けられます。このエピソードでは、平安時代の権力者であった藤原道長の時代が終焉を迎え、その後の人々の運命が描かれます。視聴者は道長の死とともに、真広（まひろ）の新たな旅立ちを目にすることでしょう。

まひろの人生を振り返る語り

物語の始まりは、まひろが源倫子に呼ばれ、長年の人生を振り返るシーンから始まります。まひろは、これまでの経験や出会い、そして別れについて語ります。倫子は静かにその話に耳を傾け、まひろの一言一言を噛みしめるように聞き入ります。このシーンでは、まひろの心の中に流れる思い出が生き生きと描かれ、視聴者は彼女の感情に共感せざるを得ません。

この穏やかな語りの後、物語は藤原道長の心情へと移ります。彼は妻・倫子がまひろを呼び寄せたことを知り、その理由を問いただします。しかし、倫子は「昔話だ」と軽く受け流し、話題を変えてしまいます。

それでも、道長はその背後に何か隠された意味があるのではないかと感じ、深く考えます。

藤原家の未来を見据えた婚姻の提案

道長と倫子の会話の中で、末娘・藤原子を淳良親王に嫁がせるという話が持ち上がります。倫子はこの婚姻によって、藤原家の権力基盤をさらに強固なものにしようと考えています。この提案を受けた道長は、「なるほど、良い考えだ」と同意し、藤原家の未来をさらに強固なものにするための策略を進めます。

この婚姻は単なる家族の結びつきではなく、平安時代の権力闘争において、家の繁栄を確実なものにする重要な一手です。この時代、婚姻は単なる愛情の結びつきではなく、権力の強化手段であり、道長はその価値をよく理解していました。

道長との思い出と和歌

物語が進む中で、まひろは自宅に戻り、長年大切に保管していた書簡を取り出します。その中には、道長や藤原信孝、親しい友人であった沢からの手紙が含まれていました。特に道長からの手紙には、美しい和歌が記されており、それを読み返すたびに懐かしさが胸に込み上げてきます。

さらに、彼女は自分がかつて書いた和歌の下書きを見つけます。その和歌を手に取った瞬間、まひろはこれらの歌を一つの歌集にまとめてみようというアイデアが浮かびます。彼女の才能と繊細な感受性は、当時の貴族社会においても輝きを放ち、藤原家や宮廷の人々に深い感銘を与え続けてきました。

時代の移り変わりと道長の死

時が流れ、藤原子は淳良親王に嫁ぎ、やがて二人の息子をもうけます。まひろは娘が立派な家に嫁いだことを喜びつつも、母としての複雑な感情を抱えています。

藤原家の繁栄と出世を目の当たりにしながらも、時代の変遷とともに様々な感情が交錯していくのです。

一方で、藤原家の中で道長の息子たちが次第に権力の中心に立ち、道長の時代が終わりを迎えつつあることが描かれます。そしてついに、道長はその年の十月にこの世を去ります。彼の死は、平安時代の一つの象徴的な終焉を意味しています。

道長の死後、まひろは再び旅に出ることを決意します。出発前に、彼女は娘の藤原里子に「紫式部集」を託します。これは彼女にとって、長い人生の集大成ともいえる贈り物でした。そして、彼女は年老いた体に鞭打ち、新たな旅路へと一歩を踏み出します。この旅が彼女の人生の締めくくりとなるのか、それとも新たな物語の幕開けとなるのかは、まだ誰にもわかりません。