紫式部が『源氏物語』の物語展開を変える決断をしたのは、彼女が仕えた明子(しょうし)の深い悲しみが背景にありました。明子は、最愛の一条天皇が急逝したことで心の支えを失い、出家を考えるほどの絶望に包まれました。式部はそんな彼女を慰めるため、光源氏の物語を描きながら現実の出来事に重ね合わせ、少しでも心の安らぎを提供することを意図したとされています。
式部が描いたのは、光源氏が紫の上の死を悲しむ姿でした。現実の明子が天皇を失った痛みと重ね合わせるかのように、光源氏もまた、最愛の人を失う絶望に沈みます。ここで、紫の上が先に亡くなり、光源氏がその死を悲しむ展開とすることで、明子も自身の気持ちを紫の上に重ね合わせ、少しずつ天皇の死を乗り越えるきっかけを得たのです。
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