藤原道長と三条天皇の関係が新たな展開を迎える第41話では、両者の権力闘争が本格化していく様子が描かれます。これまで緊張の中で表面化していなかった争いが、ついに水面下で動き出すのです。

三条天皇の即位と道長の焦燥

三条天皇の即位によって、物語は一気に動き出します。三条天皇は新たに藤原の均等を大理に移動させることを命じましたが、道長はこれに不満を抱いています。天皇と道長の間には、微妙な駆け引きが繰り広げられますが、天皇は自身の権力を強めるための決断を進めていきます。

「一刻も早く三条天皇に退位してもらわねばならない。」道長は、天皇に対して強い危機感を抱きながらも、対立の道を選びます。一方の三条天皇も、長く待たされた即位の末にようやく手に入れた権力を手放す気はありません。「私は長く待たされたのだ、これからは自分の思いのままにやる。」そう意気込む三条天皇の姿は、これまでの彼の辛酸を物語っています。

道長の葛藤と過去の思い出

夕暮れ時、道長は庭を歩きながら、三条天皇との対立に思いを馳せます。「どうにもならないかもしれないが、実に不愉快だ。」道長は三条天皇が己の権力を強めていることに不安を覚え、胸の内に葛藤を抱えていました。彼は倒れ込み、疲れ切った表情で朋子に支えられながらつぶやきます。

「三条天皇にはどう向き合うべきか？」その言葉は、道長が心の底で感じている孤独と苦悩を象徴しています。朋子は優しく彼を慰めますが、道長の心の重さは晴れることがありません。

藤原の娘たちとの過去と未来

道長は三条天皇が多くの妻を迎えていることを朋子に語り始めます。

最初の妻、藤原の賢子。そして、道長の娘である清子が四番目の妻となる現実。道長は、自分の過去を振り返りながら、三条天皇の権力争いに巻き込まれる家族のことを心配し続けています。

「忘れてはならぬのは兄道孝の娘元子だ。」道長の言葉は、彼の過去の苦い記憶を呼び起こします。元子が策略によって無理やり使いとして送り出された後、若くして亡くなったことを今でも彼は忘れていません。

三条天皇との対立の幕開け

観光八年の八月、三条天皇は道長に関白の職を引き受けるよう依頼しましたが、道長はこれを辞退します。この辞退に対して三条天皇は、「非常に残念だが、スケごとキヨコをシャウゴにしてくれ。」と強く求めます。道長はこれに反対し、三条天皇との権力争いが一層激しくなっていきます。

「私は父上に道を塞がれているのですね、私は不要な息子なのでしょうか？」藤原秋信が道長に不満をぶつける場面は、道長の家族内での緊張感を描写し、物語にさらなる複雑さを加えます。