敦康親王は原服の時期が近づき、母である富母から離れる寂しさに心を痛めていました。「原服したら、もう富母で中宮様と語り合うこともできないかと思うと、寂しくてなりませぬ……」と率直に感情を吐露します。この親王の姿を見た道長は、まひろに愚痴をこぼし、源氏物語の光源氏と富ツボの物語が現実化する恐れがあると心配を募らせます。しかし、まひろはそんな心配を無視するかのように「道長自身が源氏物語に酔いしれているのでは?」と冷静に返すのでした。
一方、宮中では天皇の後継問題が深刻化していました。
一条天皇の望む後継者は初安親王である一方、道長は息子・惟規を次の帝に立てたいと野心を隠さなくなります。「私の目の黒いうちに惟規様が御門になる姿を見たいものだ」と述べ、野心を隠さない道長と、初安親王を立てたい一条天皇の間で、後継問題はますます激化していくのでした。
道長の次女・清子は姉である中宮・明子を訪れ、道長が次々と策略を巡らせていることを語ります。彼女は「父上は三条天皇の巫子も、道宮様の巫子もの孫にすることで権勢を盤石になさろうとしています」と述べ、父・道長がいかに権力を拡大しようとしているかを明子に明かします。清子はその冷徹な父の姿に複雑な思いを抱きながらも、道長の権力欲に驚きを隠せないのでした。
中宮・賢子は道長の娘として政治の場に立つことを学び続け、漢籍の勉強を続けています。彼女は「人の心を政治の鏡とするべきだ」と為政者に助言することの重要性を理解し始めていました。賢子が蓄えた知識と為政者としての姿勢は、今後の政治において彼女を支える重要な基盤となるでしょう。しかし、彼女は父である道長の手駒として扱われることへの不安を感じ始め、次第に葛藤が生まれていきます。
第三十九回では、信頼する弟である惟規の訃報が伝えられます。惟規は真面目で誠実な性格の持ち主であり、まひろと心を通わせる数少ない親族でした。特に印象的だったのは、以前まひろに「姉上らしいところも、根が暗くてめんどくさい」と率直に告げたシーンです。家族が率直に意見を言い合える関係を築いてきた二人でしたが、惟規の死はまひろに深い衝撃を与えました。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=dM9MPiyZ7Uk,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]