まひろは、盗賊から片子を救ったのが双寿丸だと知り、礼を述べます。しかし、片子の側近・糸は早々に双寿丸を追い返そうとします。「姫様がそんな者と親しくするわけにはいかない」と糸が冷たく言い放つと、片子は声を上げて笑い、その場を和ませました。身分差を超えた出会いがもたらす不協和音と、それに反発する片子の明るさが印象的です。
その夜、まひろと頑子は双寿丸の話をします。頑子は「あなたは誰に対しても優しいのね」とまひろに言いますが、まひろは「私は怒るのが嫌いなだけ」と答えます。このやり取りから、まひろが幼い頃から持ち続けていた「争いを避けたい」という性格が浮かび上がり、それは道長の影響を受けたものだとまひろは考えるのです。
一方、宮中では藤原道長とその兄弟たちの間で権力争いが激しさを増します。三条天皇は道長に関白就任を打診しますが、道長はこれを辞退します。それでも天皇は、自身の娘・透け子を女房とする願いを譲りません。道長は「透け子に後ろ盾がない以上、女房とするのは難しい」と反対しますが、天皇の強い意志に押し切られてしまいます。
道長は宮廷内の勢力図を見極めつつ、権力をうまくコントロールしようとしますが、その過程で息子たちとの間に軋轢が生まれます。息子・寄り道は「なぜ自分ではなく弟が側近に選ばれたのか」と不満を口にし、道長は「お前が主導するのは天皇が代わる時だ」と諭します。道長の冷静な判断力が光る場面ですが、家族間の不和は深まるばかりです。
明子もまた、父・道長に対する反発を強めていました。
「私たち兄弟が力を合わせて父の政治を支えていかなければならない」——この決意を胸に、明子は弟たちに協力を求め、家族の絆を再確認するのです。この場面は、彼女の成長と自立が顕著に描かれた瞬間でした。
季節は秋。明子は富壷で和歌会を開き、そこに宮野千時が鬼京の訪問を告げに来ます。厚安神王は、明子への贈り物として椿を持参していました。その椿はかつて皇后も好んだものであり、厚安の気持ちが込められていることが暗示されています。
「厚安様のことはもう過ぎたことにいたしました」と帰京が明子に語るシーンでは、かつての思い出が消え去り、新たな関係が築かれようとしています。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=1tC33-2G4mw,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]