昭和39年(1964年)、寒さが増してくる11月のある日、母ちゃんと僕はいつものように買い物に出かけるところでした。この頃の日本は、戦後復興が進み、家庭の中でも徐々に生活が安定してきた時期。それでも、贅沢はできない生活が続いていました。そんな中、母ちゃんはいつも僕をおんぶして、ぬくぬくとした「ねんねこ半纏」を羽織りながら過ごしていました。
この写真に映る母ちゃんの笑顔、何か特別な喜びがあったのでしょうか?それとも、ただ僕を背中に感じながら、温かさに包まれていたからこその笑顔だったのでしょうか。背中の僕はまだ幼く、周りのことはよくわからなかったけれど、母ちゃんの背中にいると、世界は安全で、何も怖いものはありませんでした。
前日、父ちゃんは「こんぴらさん」
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