物語は、藤原伊周の復権から始まります。かつて「長徳の変」で失脚した伊周は、長年政界から遠ざけられていましたが、今回一条天皇の助力により、彼の地位が回復する運びとなります。伊周は元々、定子の兄であり、定子と一条天皇の間に生まれた敦康親王の外戚です。そのため、敦康が将来天皇になる可能性を考えれば、伊周は重要な存在となります。
しかし、藤原道長の支配下にある朝廷では、伊周の復権は簡単には進みません。道長は自身の娘・彰子を中宮にし、その影響力を強めることを目論んでいたため、伊周が政界に返り咲くことには慎重でした。
伊周の復権を祝う宴が道長邸で開かれますが、ここで伊周は、道長に対する内心の不満を隠しながらも、丁寧な態度を見せます。この宴で彼が詠んだ漢詩は、彼の心の複雑な思いを映し出していました。詩の内容は、「年月が過ぎ、老いが近づく中、ただ恩を感じるばかりだ」といったものですが、実際には道長への敵意を内に秘めている様子が伺えます。
一方で、道長は真ひろに対して中宮彰子の女房になるように勧誘します。道長にとって、真ひろが彰子の側に仕えることは、政治的な策略の一部です。一条天皇が真ひろに興味を示しているため、彼女を彰子の女房にすることで、天皇が彰子のもとを訪れる機会を増やそうとしていました。
しかし、真ひろはこの提案に対して複雑な感情を抱きます。「私はおとりですか?」と問いかけ、自分が政治の道具として利用されることに対して不満を隠せませんでした。
次に描かれるのは、安倍晴明の最期です。晴明は、陰陽師として長年道長に仕えてきましたが、彼の死が近づいていることを自覚していました。彼は「今夜、自分は死ぬだろう」と道長に予言し、光と闇についての意味深な言葉を残します。「光が強ければ闇も深くなる」という言葉は、権力の背後にある代償を暗示しているようです。
晴明はその夜、84歳で静かに息を引き取ります。彼の予言が今後の道長や朝廷にどのような影響を与えるのか、物語の進展が期待されます。
次に起こる大事件は、内裏の火災です。千五年の11月、内裏が火災に見舞われ、甚大な被害を受けます。火事の最中、一条天皇は彰子を抱きかかえて避難するシーンが描かれ、これが二人の関係を変える重要な転機となります。
この火災で、三種の神器の一つである「宿鏡」が焼失するという大事件が起こります。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=KASgy8qgM5A,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]