物語の幕が降りる第48話では、道長(柄本佑)とまひろ(吉高由里子)の関係が、運命的な終焉を迎えます。道長の病状が悪化し、最期の時が近づく中、まひろは彼を訪ね、二人だけの時間を過ごします。
妻・智子(黒木華)から「まひろとは何を話していたのか」と尋ねられた道長は、「昔話をしていただけだ」と静かに答えますが、その会話には、二人の愛と信頼が詰まっていました。道長にとってまひろはただの友人ではなく、心の支えであり続けた人物。彼女との最後の会話が、彼の心を安らげたのです。
物語の終盤、道長は二人の娘・岸と犬の死を立て続けに経験し、深い悲しみに打ちのめされます。娘たちを失った道長は病床に伏し、その心の傷は癒えることなく、ついに糖尿病の合併症でその生涯に幕を下ろします。道長はその生涯を通じ、五人の天皇に仕え、権力の絶頂を極めましたが、晩年の彼を蝕んだのは、愛する者たちとの別れの連続でした。
道長は最期に、まひろに「もしお前がそばにいなければ、私の人生に意味はない」と語り、その言葉にまひろも心を揺さぶられます。
道長の死後、まひろは新たな旅に出ることを決意します。彼女は亡き道長との約束を胸に刻み、「あなたがいないと私の人生に意味はない」と呟きます。彼女にとって、道長との出会いは人生の大きな支えであり、その存在を失ったことで、心の拠り所を探す旅が始まるのです。
旅立つ前に、まひろは娘・片子に、自作の歌集『先式部集』を手渡します。この歌集には、これまでの人生で彼女が抱いた感情や思いが詰め込まれており、まひろにとって最後の心の整理とも言えるものでした。
道長の死後、彼の娘たちはそれぞれの人生を歩み始めます。特に、姉妹たちは皇室に嫁ぎながらも、政治的な駆け引きや家族の犠牲の中で自らの道を模索します。彼女たちの運命は、父である道長の権力とともに栄光を享受する一方で、その影にある孤独と悲しみを背負い続けるものでした。
中でも、道長の娘・明子は、宮廷内での複雑な人間関係に翻弄されながらも、自らの信念を持って立ち向かいます。彼女たちの生き様は、平安時代の女性たちがいかに厳しい環境で生き抜いていたかを象徴しています。
物語は、まひろが旅立つ場面で締めくくられます。老いた従者とともに、彼女は新たな地へと向かいますが、その足取りは決して重くありません。過去の悲しみや喪失を抱えながらも、彼女は未来に向けて歩み出します。
この最終回では、まひろと道長の愛が形として残ることはありませんでしたが、二人の間に生まれた絆は確かに存在していました。
彼らの物語は終わりを迎えますが、その精神は次の世代へと受け継がれていくのです。
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