賢子の秘密がついに明らかになります。まひろは、これまで隠してきた事実――賢子が道長の実の娘であることを告げます。この衝撃的な告白は、道長を深く揺さぶりました。これまで自分の子でありながら賢子を気にかけることもなく、彼女の成長を遠巻きに見守るだけだった道長は、罪悪感に苛まれます。
賢子は、まひろと共に新たな道を進もうとしますが、最終的に宮中に留まることを選びます。彼女は道長の「残された証」として、自らの役割を果たす覚悟を決めたのです。
道長は、寄り道を一人前に育てるため、自らの退場を決意します。
「この世であなたが休むべき場所は、寺ではなく私のそばです。」朋子のこの言葉は、夫への深い愛情と共に、彼を失いたくないという切実な願いが込められていました。しかし道長は、「世の中のために今は身を引くべき時だ」と言い残し、寺へ向かいます。
まひろもまた、自らの人生に新たな一歩を踏み出します。娘の賢子が宮中に残ると決意したことで、まひろは心の中で一区切りをつけ、旅に出ることを決めます。彼女が目指すのは、源氏物語で描いた地――明石や亡き夫の足跡を辿る太宰府、友人を失った松浦など、彼女の心に残る地を巡る旅です。
息子のお丸を連れたまひろは、思い出と未来への希望を胸に、宮廷を去ります。その背中を見送る道長は、「手の届かない存在」を目の前にして、ただ彼女の安全を祈るしかありませんでした。
道長が宴で詠んだ歌「望月」は、この世で自分が望むものは全て手に入れたという内容でした。しかし、その傲慢とも取れる歌の意味について、宮廷の人々の間で議論が巻き起こります。道長の権力は満月のごとく、欠けることのない完全なものとして映りましたが、その裏にある孤独や葛藤を理解する者は多くありませんでした。
この歌は、彼が家族と共に築いた権力と栄光の象徴でもあり、同時に「これ以上望むものはない」という彼の疲れ果てた心境も表していました。
物語の中で、厚安新王が若くしてこの世を去る悲劇が描かれます。21歳という短い生涯は、一条天皇と貞子の遺志を背負うものでしたが、彼の死はまるで運命に翻弄されたかのように突然訪れました。
道長は、この死にも大きな責任を感じます。
本来、厚安新王が担うべきだった未来を、彼の孫に奪わせたこと――その選択が彼にとっての重荷となり、彼を出家へと向かわせたのです。
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=RbFhD617I_I,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]