藤原妍子(ふじわらのけんし)――彼女の名は、光り輝く姉・彰子(しょうし)の陰に隠れがちだが、豪華絢爛な宴を好み、派手な生活を送りながらも、藤原家の一員としてその生涯を全うした女性だ。妍子は、道長(みちなが)の次女として生まれ、三条天皇(さんじょうてんのう)の后となる運命を背負っていた。しかし、彼女の人生は波乱に満ち、華やかな場面の裏では、孤独と苦悩が彼女を襲った。
994年、道長とその妻・倫子(りんし)の間に妍子は誕生した。彼女の姉である彰子が一条天皇(いちじょうてんのう)に入内し、後に天皇の母として絶大な権力を握る一方、妍子はその後を追う形で三条天皇の后となる。しかし、姉と違い、妍子の道は決して順風満帆ではなかった。
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