今回は、多くの人に愛され続けた俳優、西田敏行さんの最期について、そしてその家族の姿に迫ってみたいと思います。映画『釣りバカ日誌』シリーズでお馴染みの「ハマちゃん」として、彼のユーモア溢れる演技が日本中を笑顔にしてきましたが、その影には家族との絆や孤独な晩年の姿がありました。

西田敏行さんの突然の訃報

2023年の某日、俳優・西田敏行さんが自宅で亡くなったという知らせが世間を驚かせました。彼の遺体が発見されたのは東京都内の自宅。享年76歳。彼はその日も仕事の予定があったため、付き人が自宅を訪れたところ、西田さんはベッドの上で倒れていたと報じられました。死因についてはまだ詳しく明らかになっていませんが、晩年は妻の久子さんが付き添い、介護を受けながら生活を送っていたと言われています。

西田さんが亡くなった際、家族とは別居していたという噂が広まり、孤独死だったのではないかという声が上がりました。

遺体の第一発見者が家族ではなく、付き人だったこともこの噂を助長しました。しかし、真相はどうだったのでしょうか？

西田敏行さんを支え続けた妻・久子さん

西田さんは1974年に大分出身の久子さんと結婚しました。久子さんは劇団青年座の研究生として活動していた元女優で、出会って間もなく劇団を辞め、無名だった西田さんを支えました。彼女は女優の夢を諦め、多くのアルバイトを掛け持ちして経済的に西田さんを支えたと言われています。そんな二人の間には、二人の娘が誕生しましたが、西田さんの家族についての詳細はこれまでほとんど明らかにされていませんでした。

第一子は1976年生まれの「さちか」さん。彼女についての詳細な情報はほとんど公表されていませんが、1980年代には家族と一緒にテレビ番組に出演した際の写真が残っているとされています。第二子「りえ」さんも、芸能界には入っておらず、一般人としての生活を送っているため、詳しい情報は不明です。

家族との絆とその崩壊

西田さんの家族への愛情は、幾度となくインタビューやエピソードで語られてきました。彼は2003年に心筋梗塞で倒れた際、「娘二人と妻が手を握ってくれた時、家族のありがたみを痛感した」と語っています。また、夜遅くに帰宅した際、妻に20分ほど玄関先で説教されたというエピソードもあります。「あなただけの命じゃない」と、家族を心配する妻の厳しい言葉が、彼にとってどれほど大きな意味を持っていたかがうかがえます。

しかし、そんな家族の絆が深まる一方で、西田さんと妻・久子さんは後年、別居していたのではないかという噂がささやかれていました。発見当時、彼の自宅には妻が不在であったことや、近隣住民が「一人で歩く姿を見かけた」と証言していることが、この噂の根拠となっていたようです。

孫にまつわる噂と驚愕の真相

さらに、西田敏行さんには「孫がいるのでは？」という噂もありました。映画『ゲロッパ』で西田さんの孫役を演じた子役が、実際に西田さんの孫ではないかという話が広まりました。その子役は大田しおりさんという女優で、彼女が西田さんの娘に非常に似ていたことから、孫ではないかと噂されたのです。

しかし、年齢の面から考えて、大田さんが西田さんの実の孫である可能性は低いとされています。

晩年の西田敏行さんの姿

晩年の西田さんは、病と闘いながらも仕事を続けていました。2016年には脳梗塞や胆嚢炎を患い、一時は引退説も流れましたが、妻・久子さんの献身的なサポートにより、驚異的なスピードで復帰を果たしました。この時、久子さんは車椅子に乗った西田さんをリハビリ室へと連れて行く姿が目撃されています。

近隣住民によれば、晩年の西田さんは杖をつきながらも外出する姿が見られ、地元の人々に親しまれていたといいます。「コンビニまでゆっくりと歩いている姿や、選挙の投票所で見かけた際には、フレンドリーに挨拶していた」という証言からも、彼が明るく人々に接していたことが伺えます。

最期に寄り添った人々

西田さんの自宅前には、彼の訃報を聞いた人々からの供花が次々と届けられました。

中でも、女優の竹下景子さんからの供花が最初に届いたことは、彼女との深い絆を物語っています。二人はラジオドラマ『新日曜名作座』で共演し、息の合った掛け合いを見せていました。その掛け合いをもう聞くことができないと思うと、胸が締め付けられる思いです。

西田敏行さんは、誰からも愛される存在であり、その演技や人柄は永遠に日本の芸能史に刻まれることでしょう。彼の最期についての詳細はまだ多くが明かされていませんが、家族や近隣の人々との関わりからも、彼が多くの人々に支えられていたことがわかります。西田敏行さんのご冥福を心からお祈りしつつ、彼の残した功績を称え続けたいと思います。