皆さんこんにちは。大相撲中継の解説といえば、まず思い浮かぶのが元横綱・北の富士勝昭の存在ではないでしょうか。引退後もテレビの解説者として活躍し、その独特の語り口や親しみやすさが、ファンの心を掴んできました。しかし、2023年3月場所から北の富士は長期間解説を休んでおり、彼を心配する声が相次いでいます。彼の休養の背景に何があったのか、今回はその真相に迫ります。

長期休場の裏にある体調不良

NHKの解説席から姿を消した北の富士。2023年の3月場所から1年にわたり解説を休んでいることから、ファンからは彼の体調を心配する声が増えていました。実際、北の富士は82歳という高齢もあり、長期間にわたる地方場所の滞在は身体的に大きな負担でした。大阪、名古屋、福岡といった地方場所では1ヶ月近くホテルに滞在する必要があり、体調が万全でない彼には耐え難いものだったようです。

さらに、東京場所でも復帰が見送られたことから、ファンの不安は一層募りました。

解説の場での滑舌がかすれたり、質問への応答に間が空いたりする場面も増え、彼自身もコラムで「体調が優れない」と漏らすなど、病気療養の必要性が浮き彫りになってきました。

心臓疾患と過去の手術

実は、北の富士は長年、心臓に持病を抱えており、過去には心臓手術を受けた経験もあります。彼が患ったのは、動脈瘤という病気で、1994年の健康診断で発見されました。この時、彼は手術に対する恐怖心から一度は遺書を書いたものの、医師からの丁寧な説明で不安を和らげ、手術に臨みました。また2016年にも心臓の手術を受けており、その後しばらく解説を休んだことがありました。長年にわたる心臓疾患は、彼にとって常に不安材料であったに違いありません。

この心臓疾患の影響で、一時期は「解説の引退も視野に入れているのでは？」と噂されましたが、2022年には解説に復帰し、ファンを安堵させました。しかし、最近の休場により、再び不安が募ることとなりました。

孤独な生活と婚約破棄のエピソード

北の富士はその豪快な性格で「プレイボーイ横綱」としても知られましたが、現在は東京・墨田区で一人暮らしをしています。

かつて彼には結婚を約束した女性がいましたが、後に婚約が破棄されることになりました。彼が銀座のホステス、松木真理さんと婚約した際、真理さんは当時34歳で、北の富士とは9歳差。華やかな結婚式をハワイで挙げたものの、その後二人の関係は長続きしませんでした。若い頃の派手な暮らしや多くの交友関係が、彼にとって結婚生活を長続きさせるには難しかったのかもしれません。

また、若い頃に交際していた女性、料亭の次女である加代さんとのロマンスも有名です。若い二人はすぐに意気投合し、北の富士は彼女の母親に「ぜひ加代さんを嫁にください」と申し出たほど。しかし、その恋は成就せず、数年後に料亭を訪れた際に加代さんが別の男性と婚約していることを知り、北の富士は無言で店を後にしました。もし結婚が実現していたら、彼の人生もまた違った形になっていたかもしれません。

現在の健康状態と復帰への期待

2023年に入ってからも入退院を繰り返している北の富士ですが、彼の健康が回復するのを待ち望むファンの声は後を絶ちません。最近、八角理事長もインタビューで「北の富士は退院した」と発言しており、健康状態が改善している兆しも見えます。北の富士も自身のコラムで、体調の改善に対する希望と、相撲界全体へのエールを送っていました。「健康が何よりも大切」との言葉は、長年苦楽を共にしてきた相撲ファンや関係者に響くものがありました。

ただし、現時点で引退はしていないものの、長時間の解説業務が体に与える負担を考えると、今後の解説業務が不透明であることは確かです。彼が元気な姿で再び解説席に戻ってくることを、多くのファンが心から願っています。

北の富士が解説を休んでいる背景には、高齢による体調の問題や、過去に抱えた病気との闘いがありました。角界で長く支えてきた名解説者が、また元気な姿で戻ってくる日を期待しつつ、彼の健康が何よりも大切であることを思わずにはいられません。