1972年、悪の組織「ブラック・スパイダー」を壊滅させるべく、法を超えた正義の執行人たちが集結した「ワイルド7」。視聴率がトップクラスにまで達したドラマは、スリル満点のカーチェイスや爆発シーンが満載で、多くのファンを魅了しました。今回は、当時この人気ドラマで活躍したキャストたちの現在について、その人生の足跡と共にご紹介します。
元警視庁のエリートで、弁護士事務所を立ち上げるも司法で裁けない悪に直面し、超法規的な「ワイルド7」を結成した草波。そのリーダーを演じたのは、川津祐介さんでした。川津さんは慶應義塾大学在学中の1958年に映画デビューし、数々のドラマや映画で活躍。人気シリーズ「ザ・ガードマン」にも出演し、特に女性ファンに愛されました。
川津さんは29歳で女優の愛紗さんと結婚し、3人の子宝に恵まれますが、その後夫婦揃って大病を患う試練が訪れます。
しかしお互いに支え合い、絆をさらに深めました。晩年は料理研究家や画家、陶芸家などとして多方面に活動し、ブログでも注目を集めていましたが、2022年2月、86歳で永眠されました。
初代リーダーであり、悪の組織との戦いで殉職した芝二郎。芝役を演じた峰岸隆之介さんは、「和製ジェームズ・ディーン」と称されるほどの人気俳優で、若い頃からアイドル的人気を誇りました。1977年には女優と結婚し、長女が誕生。しかし後に離婚し、再婚後に二人の子どもを授かります。
峰岸さんはシリアスな父親役からコメディまで幅広い役柄を演じ、晩年にはトライアスロンや落語にも挑戦するなど活躍の幅を広げました。2008年、肺がんにより65歳で永眠。彼の最後の出演作品は大林宣彦監督の映画『その日の前に』でした。
横浜の暴走族出身で、兄を失った復讐のためにワイルド7へ加入した日馬第六。小野進也さんは18歳でテレビデビューし、青春ドラマ「コートにかける青春」などで注目を集めました。
「ワイルド7」出演後もアクション作品を中心に活躍し、俳優養成所の講師としても後進を育成しています。
近年は舞台演出や脚本執筆も手掛け、2021年には朗読劇「ガラシャ」を演出し話題に。73歳を迎えてもなお、舞台や指導を通じて多忙な日々を送っています。
「八百」とあだ名されるプロゴルファーの元コック、八百を演じたのは手塚茂夫さん。16歳で映画デビューし、スリーファンキーズのメンバーとしても活躍。数々の時代劇や刑事ドラマに出演し、俳優として長く親しまれました。
47歳で大阪に拠点を移し、俳優業と並行して結婚式のプロデュース業なども行いました。2003年に肺がんが見つかり闘病生活を送りましたが、翌年62歳で永眠されました。
元サーカス団のスターで、ナイフとバイクを駆使する世界を演じたのは、マイケル中山さん。日系イギリス人の父と日本人の母を持つ彼は、25歳で歌手デビュー。ワイルド7の出演後は主に歌手活動を中心に展開しました。
彼の家族には芸能人が多く、長女の中山エミリさんや次女のエレナさんも芸能界で活躍しています。2022年で77歳となりましたが、今でもライブに出演するなど、歌手としての活動を続けています。
義理人情に厚く、元ヤクザの親分役を演じた永井正治さんは、15歳年上の兄も人気俳優という芸能一家で育ちました。「ワイルド7」が彼の本格的なテレビデビュー作となり、その後は数多くのテレビドラマに出演。仮面ライダーブラックへの出演を最後に引退しましたが、共演者との交流は続いているそうです。
在日米軍基地近くの町で育ち、反骨精神あふれるヘボピー。演じた笹本晶さんは、後に芸名を何度か変更し、バラエティのレポーターやナレーターとしても活躍。
現在も俳優として活動を続け、2022年にはドラマ「鉄道みちこ二万キロ」に出演しています。
普段はサラリーマンながら、爆破事件のスペシャリストだった両国。演じた小池裕介さんは舞台を中心に活動し、時代劇の悪役としても高く評価されました。現在は77歳を迎え、日本を代表する劇作家の作品に出演し続けています。
「ワイルド7」のキャストたちはそれぞれの道を歩みながら、俳優として、また一人の人間として人生を全うしています。多くの人々の記憶に残る彼らの演技とドラマの世界観は、今も色褪せることなく私たちの心に生き続けているのです。
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=etYWF8_zwkM,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]