私の人生において、忘れられない思い出がいくつかありますが、その中でも特に心に残るのは、結婚前の妻が乗っていたAE86パンダトレノとの日々です。彼女が愛してやまなかったその車は、ただの移動手段ではなく、まさに彼女自身の「相棒」でした。
彼女が当時乗っていたのは、トヨタのAE86トレノ、通称「パンダトレノ」GTVモデル。80年代の名車で、特にスポーツカー愛好家の間では「86」と呼ばれ親しまれている車種です。パンダカラーのトレノは、モータースポーツでの活躍や人気アニメ『頭文字D』の影響もあり、今でも多くの人々に愛されています。
しかし、彼女のGTVはちょっと特別でした。まず、このモデルはパワーステアリング無し。彼女はそのステアリングを握り、重いハンドルを操作することを苦にせず、むしろ喜んでいました。その腕力で操作する感覚こそが「AE86を乗りこなしている」という実感を与えたのでしょう。その真剣な姿には、見ているこちらも自然と惹かれていったものです。
GTVは彼女にとって大切な存在であり、だからこそ彼女は車のカスタムにも積極的でした。
そんな彼女を見て、私も何か貢献できないかと考えた末に、提供したのがアドバンのYRAラリーホイールです。このホイールは、単なる見た目の変化以上に、走行性能を高めるものでした。
アドバンホイールの魅力は、軽量でありながらも剛性が高いこと。彼女は、ホイールを交換したことで、加速感やブレーキングの安定感が増したことをすぐに感じ取り、その変化に驚いていました。どんな小さなカスタムでも、愛車のハンドリングに大きな影響を与えるのが86の魅力です。そして、彼女のGTVにはTRDのラリーショックも装着されていました。ラリーショックにより、道の凹凸やカーブでの挙動がより安定し、走行中の一体感が増したと言います。彼女にとって、この車はただの道具ではなく、「心の拠り所」でもあったのです。
ある晩、私たちは夜のドライブに出かけました。彼女のトレノは、純正のライトからPIAAのハロゲンヘッドライトに交換されており、その明るさはまるで昼間のように夜道を照らしました。
山道のカーブが続く細い道でも、彼女はハンドルを握りしめ、軽快に駆け抜けていきます。
「パワステ無しでも、これくらい大丈夫よ」と、笑顔で言う彼女。その時、私は彼女の強さとその愛車に対する深い愛情に、改めて感動しました。PIAAのハロゲンライトは、彼女が自ら取り付けたもので、夜の道でも視界が良好なため安心感が増すのだと言っていました。車のパーツ一つひとつに意味を持たせ、こだわりを持っていた彼女の姿勢が本当に誇らしかったのです。
結婚してからも、彼女はこのGTVに乗り続けました。その後、EP71に乗り換えることになりましたが、それまでは毎日この愛車で通勤やドライブを楽しんでいました。雨の日も風の日も、彼女はトレノと共に日々を駆け抜け、手入れを欠かさず、車の状態を気にかけていました。結婚後の生活が始まっても、彼女の86愛は衰えることはありませんでした。
私たちが一緒に過ごした数々のドライブには、常にこのパンダトレノがありました。日々の生活で起こる小さな出来事も、車を通じて一層色鮮やかに感じられたものです。このAE86は、彼女にとって単なる車ではなく、人生のパートナーであり、思い出が詰まった宝物でした。
私にとっても、このAE86はただの妻の愛車という以上の存在でした。彼女がこの車に乗って過ごした日々は、私たちにとってかけがえのない時間でした。ホイールを交換し、ショックをカスタムし、ライトを取り替え…その一つひとつの出来事が、車と共に刻まれた愛情の証です。
今でも、時折そのAE86のことを思い出すと、胸が熱くなります。アドバンホイールの意味は単なるパーツではなく、彼女との思い出、そして共に走り抜けた青春の象徴です。EP71に乗り換えた後も、私たちはいつまでも86との日々を心の中で愛し続けています。この車と共に過ごした日々は、私たちの人生にとって、何よりも特別で貴重なものでした。
パンダトレノのAE86、アドバンホイール、TRDのラリーショック、PIAAのハロゲンライト──すべてが、私たち二人の愛車で過ごした思い出の中で今も輝いています。どんなに時が経とうとも、この車は私たちにとって永遠の存在であり続けることでしょう。
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