1969年から1971年にかけて放送されたテレビドラマ『柔道一直線』。原作は人気漫画で、地獄車や真空投げなど、現実の柔道では考えられない必殺技が次々と繰り出されることで、当時の男子層を中心に絶大な人気を誇りました。ドラマは柔道ブームを巻き起こし、スポーツコメディドラマの先駆けともなったこの作品。特に、近藤臣さんがピアノに乗って足で演奏するシーンは、視聴者の記憶に鮮明に残っています。平均視聴率は23%を記録し、多くのファンに愛されました。
桜木健一さんが演じた一条尚弥は、ドラマの中心人物であり、ライバルたちと大技を駆使して戦う姿が印象的でした。1944年生まれの桜木さんは、大阪府出身。幼少期から劇団に所属し、高校在学時にテレビドラマへの出演を果たします。大学を中退後、俳優活動に専念し、1969年の『柔道一直線』で大ブレイクを果たしました。
しかし、青春スターとしての印象が強く、テレビ出演は徐々に減少し、舞台中心の活動へとシフトしました。桜木さんは1976年に一般女性と結婚し、二人の女児をもうけましたが、後に離婚。再婚後には一条をもうけましたが、再度離婚しています。現在も俳優として活躍を続けており、舞台や映画での姿を見かけることが多いです。
高松秀雄さんが演じる車修作は、一条の柔道の師匠という重要な役どころでした。1929年生まれの高松さんは、高知県出身。大学在学中に演劇を学び、1953年に映画『イカ三平』でデビューを果たしました。『柔道一直線』や『雲の絨毯』などで広く知られ、1952年に元モデルの女性と結婚し、二人の子供をもうけましたが、2007年に新金梗塞で77歳で逝去されました。
吉澤京子さんが演じる高原美木は、一条と同じ高校に通うヒロイン役でした。1954年生まれの吉澤さんは、埼玉県出身で、12歳の時に劇団に入団し、子供モデルとして活動を始めました。1967年には映画『モロ太陽』でデビューし、続く『柔道一直線』で国民的人気を得た後はアイドル女優としても活躍。
1983年に一般男性と結婚し、一人の子供をもうけましたが、1989年に離婚。その後も女優としてのキャリアを続けています。
牧冬吉さんが演じる嵐先生は、一条が通う高校の教師でした。1930年生まれの牧さんは、秋田県出身で、高校卒業後に上京し、劇団へ入団。1963年にドラマ『隠密剣士』に出演し人気を博しました。牧さんは一般女性と結婚しましたが、その後離婚し、タレントの牧吉里さんと再婚。子供については詳細が不明ですが、1998年に肺炎で67歳で逝去されました。
藤江義之さんが演じた高原三平は、高原美木の弟という役でした。1958年生まれの藤江さんは、愛知県出身で、5歳から児童劇団に入団。1966年に特撮ドラマ『怪獣』でデビューし、『柔道一直線』で知名度を上げました。子役として数多くの作品に出演した後、リポーターやバラエティ番組でも活躍しましたが、プライベートに関する情報はほとんど公開されていません。
藤江さんはすでに芸能界を引退しています。
名古屋明さんが演じた鶴田先生は、一条が通う高校の教師でした。1930年生まれの名古屋さんは、東京都出身で、放送劇団に入所後、1959年に劇団に参加。自身の劇団を立ち上げるも1975年に解散し、以降はラジオドラマやテレビドラマで活躍。2003年に肺炎で72歳で逝去されました。
近藤正臣さんが演じた有信吾は、一条のライバルとして印象的な役割を果たしました。1942年生まれの近藤さんは、京都府出身で、高校卒業後に板前修行を経て劇団を設立。『柔道一直線』でブレイクした後、数々の作品に出演し続けています。現在も俳優として活動を続けており、最近の作品にも多く出演しています。
『柔道一直線』のキャストたちは、ドラマが放送された時代から数十年が経った今でも、それぞれの道を歩み続けています。
出演者たちの人生やキャリアは、彼らが演じたキャラクター同様、多くのドラマに満ちています。彼らの活動を通じて、あの頃の思い出がよみがえります。今後も彼らの活躍に注目していきたいと思います。