Taka、ONE OK ROCKのボーカルであり、日本の音楽シーンにおいて圧倒的な存在感を放つ彼。しかし、その成功の裏には多くの苦悩が隠されていました。彼が抱えるパニック障害、厳しい家庭環境、そして父・森進一との絶縁を経て再び繋がった親子の絆。
Takaは1988年4月17日に、歌手の森進一と森昌子の長男として誕生しました。彼の幼少期は、音楽一家である森家において、非常に厳しいしつけのもとで育てられました。特に母・森昌子はしつけに対して非常に厳しく、兄弟間でも敬語を使うように指導するほどでした。さらに、食事の際には父親が最初に箸を持ち、それに続いて家族が食事を始めるという厳格な家庭ルールが設けられていました。
Taka自身も、そんな家庭の中で常に大きなプレッシャーを感じながら成長していきました。特に母との関係は、時折険悪なものになることもありました。
ある時には、Takaが反抗期に入り、母に対して胸ぐらを掴むという出来事が起こったほどです。その際、森昌子は包丁を手にしてTakaと向き合ったと言われており、当時の家庭内での緊張感がうかがえます。
Takaの父である森進一との関係も、決して平坦ではありませんでした。Takaが音楽の道を志す中で、父親との衝突が多く、特にTakaがジャニーズ事務所を退所して以降、二人の関係は冷え込んでいきました。森進一はTakaの学歴に強いこだわりを持ち、息子をエリートの道に進ませようと遠距離通学をさせるなど、彼の将来を案じていましたが、Takaは音楽の道を選び、家を出る決断をします。
2005年に両親が離婚したことも、Takaにとって大きな影響を与えました。それ以降、Takaと森進一との関係は断絶状態に近いものでした。しかし、父親としての愛情が完全に消えたわけではありません。ある時期には、Takaが働いていた青山のスナックに森進一が訪れ、金銭的な支援を行っていたというエピソードも残っています。
2023年7月、Takaは自身のInstagramを通じてパニック障害を抱えていることを告白しました。彼が初めて症状を感じたのは数年前であり、心臓の鼓動が異常に早くなり、不安感に襲われるといった症状に苦しんでいました。特に新幹線に乗る前に症状が現れ、ホームで2時間ほどマネージャーと待機した経験もあるといいます。
Takaはこの告白の中で、自分がこの障害と向き合いながらも音楽活動を続ける意思を示しました。「心配してもらいたくて言っているわけではなく、ご理解いただきたい」と述べ、同じ症状を抱える人々にもそっとしておいてほしいと願う気持ちを伝えました。彼にとって、この告白はファンに対する誠実なメッセージであり、自分が弱さを見せても強く生きていく姿勢を示すものでした。
Takaと森進一の関係は、冷え込んだままではありませんでした。
2008年、森進一が還暦を迎えた際、Takaは父に感謝の気持ちを込めたメールを送りました。「本当はお父さんが誰よりも僕を愛してくれてるって分かってた」との言葉に、森進一は涙を流したといいます。この出来事をきっかけに、親子の関係は再び深まり、頻繁に連絡を取り合うようになりました。
現在では、Takaと森進一は良好な関係を築いており、時折二人が一緒に食事をする姿も目撃されています。Takaは、父親に対する感謝の気持ちを忘れず、厳しくも深い愛情を注いでくれた家族に支えられながら、自らの音楽キャリアを続けています。
Takaの成功の裏には、家族との複雑な関係やパニック障害との闘いといった多くの困難がありました。しかし、彼はその全てを乗り越え、世界中のファンを魅了し続けています。彼の音楽と共に、これからの人生に注目し続けるファンも多いでしょう。